山男(1964)
1955年制作の「山男」の一部の版を変えて制作された作品です。このように畦地梅太郎は、過去の作品の一部の改変して新しく作品を制作するということをしばしば行っていました。版画ならではの試みといえるでしょう。
花の季節(1964)
「山人の季節」という作品に版を加えて新たに制作された作品です。右手にはグラスを、左手には花のような物を持っています。抽象画に近い作品ですが、どこかに愛くるしさがあります。背景色がグリーンになっているものもあります。
遠い火の山(1967)
畦地梅太郎は、体力的に山に登ることが難しくなり、山を慕う想いを投影したものとして山男作品を描きました。この作品からは、60歳を過ぎた畦地梅太郎のなお火の山を慕う想いが、窺い知ることができます。
さけぶ三人(1968)
畦地梅太郎は、この作品で表現した内容について「頂上に登り詰めたことのよろこびだけではない。一つの場所におるとき、自分は大声で、なにかしらさけびたい大きな思いになる。」と述べています(『とぼとぼ六十年』)。