「山の歌声」は、朋文堂から1963年に刊行されました。1962・63年に制作された6作品が収録されています。これらの作品は、いずれも雑誌『山と高原』の表紙にも使用されました。
ことば 畦地梅太郎
わたしの場合、山は季節に関係なく、心の奥底深く染み込む。
その染み込む山々を、しかと、受けとめる度合の強弱が、そのまま、わたしの仕事に、成否の結果がある。
山が心に染み込むということは山を眺めることの以上に、山の心を知ろうと願うことの大事さをいいたいのである。
と、えらそうなことはいうものの、この集にまとめたそれぞれの作品は、表紙という目的のために作ったものだけれど、表紙としても、また、作品としても、不充分さの目立つものもありそうだ。いまだ、力及ばずの感しみじみだ。